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多摩ニュータウンタイムズについて
多摩ニュータウンの入居開始を控えた1969年、新しい街の地方紙(地方新聞)として創刊し、以来、多摩ニュータウン及びその周辺地域(多摩市、八王子市、稲城市)の皆様に最新ニュースや生活情報などを提供してまいりました。今日まで読者の方々をはじめ皆様からのご支援を頂き、おかげさまで創刊40周年を迎えました。 今後ともご愛読を賜りますようお願い申し上げます。 配布エリア:多摩ニュータウンの全域(多摩市、八王子市、稲城市)

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脚下照顧

 青空に入道雲、セミの鳴き声、日焼けした子どもたちの顔。夏らしいのは良いのだが、レジャーも仕事も熱中症にご注意を◆朝昼晩、食べたいのはそうめんや冷やし中華ばかり。それではいけないと省エネもどこ吹く風で、冷蔵庫の扉を開けたまま思案していたら、頂き物の自家製ラッキョウ漬を発見。口いっぱいに広がる酸味が、夏バテに良く効いた◆地域の盆踊りの時には、近所の漬物名人が差し入れてくれたミョウガの浅漬が大人気。時季のもの、そして手作りの味はひとしおだ◆夏休み本番。帰省や避暑地への旅。海に山にプール。花火に自由研究。市や大学の無料講座などもワクワクする。何気なく手にした科学雑誌で月や金星、熟したトマトのような太陽、遊び心満載の土星、宝石のような星団の写真を見た。中でもひときわ美しく青白く光る地球。ここに自分がいるのかと思うと不思議で、壮大な気分になった。月や星の観測に向く季節だという。水の惑星に寝転んで、『宇宙』を見よう。まずは肉眼で。また七倍程度の双眼鏡でも、じゅうぶん楽しめるそうだ◆65回目の終戦記念日を迎える。ご苦労された体験に耳を傾け、平和で豊かな日本に暮らせることのありがたみを改めて思うのも夏の宿題かもしれない。良い休暇を。(小鳥田晶子) 100801号掲載

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 進化してるぞ、どんどん良くなっている、強くなっている。サッカーW杯、日本代表選手の躍動感あふれるプレーに魅了され、喜びを与えてもらった◆どうせ無理、できるわけないと、始まる前からあきらめて傍観していたが、手足を動かし、汗を流して戦う選手たちは確実に成長している。それならば、自分だってもしかしたら…、と夢や希望を拾いなおした人もたくさんいたのではないだろうか◆問題の大きさに呆然としてしまうこともある。環境問題はその最たるもののひとつではないか。もう何十年も前から当たり前のように環境問題に取り組み、車の利用を制限し自転車道が整備されている国もあれば、地球温暖化などはでっちあげだ、と主張する学者もいる◆成熟した国、これから経済発展をしていく国、色んな国が住む集合住宅みたいな地球の中で、なかなか意見はまとまらない◆環境問題の本を読めば難しいデータがたくさん記され、これでもかと恐怖にさらされ、無力感にとらわれる。しかし面白いことに最後の結論は至ってシンプル。『倹約』『一人一人の心がけ』◆さんざん人生を楽しんだ世代が生まれたばかりの赤ん坊にエコ、エコ、と言うのは申し訳ないが、感じた人からできることをやるしかない。車を手放すことができない分、せめて日の出と共に起き、夜はさっさと眠る。樹を植える。ムダをそぎ落としたら、本当に必要なもの、やりたいことがはっきりと見えてくるかもしれない◆さあ、2010年も後半戦。選挙もあるし、暑い夏も元気にがんばりましょう!(小鳥田晶子)

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 サンリオピューロランドに訪れるアジアからの観光客がますます増えそうだ。来月から中国人向けの個人観光ビザの要件が緩和され、発給対象者はこれまでの10倍、4000万人以上になるという。これからは国内の観光地、どこへ行ってもこれまで以上に中国語を見聞きするようになるだろう。観光立国で経済効果を狙う日本は、北京からたったの約4時間のところにあるのだから、来てもらって、たくさん買い物をしてもらわなくてはならない。通訳や案内板、お土産品、オプショナルツアーなどの需要が見込まれる。また、これまでもっぱら『海外』に出ることだけを考えてきた多くの日本人に、これからは異文化からやってくる観光客を受け入れる寛容さを求められるだろう。日本有数の観光地に住む知人は、通勤時に観光客でごった返す駅を通るたびにうんざりするという。好奇心いっぱいの観光客は日常の中に、平気でビデオカメラを向けると怒っていた。強い円を握った傍若無人な日本人観光客と揶揄されつつ、世界を見てまわったバブル景気世代としては思い当たることが多く、冷や汗が流れる。しかし、旅先で見る『日常』はとても興味深い。ローマの洗濯物の干し方、ロンドンの横断歩道の渡り方、ケニア女性の頭上の荷物は珍しかった。築地の魚市場しかり、旅行者は意外なものを喜ぶ。電車の居眠りが面白いと外国人から聞いたこともある。キティちゃんの故郷、多摩センターの人は、みんな幸せそうで親切だった、という評判をつくろうか。(小鳥田晶子)  100601号掲載

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 花が咲き誇り春の香りがただよう新年度のスタートだ。この街で新しい生活を始める人、また故郷に戻る人、それぞれにさらなる飛躍をと願う。慣れない土地での新生活に疲れたら、何気ない自然の営みに触れてみたい◆多摩市の南にある、小野路保育園(関野鎮雄園長)の創立50周年式典を訪ねた。昭和33年に農繁期託児所としてスタートし、これまでに約千3百名を送り出してきた◆豊かな自然が残された小野路で何年かぶりに小川を見つけた。せせらぎの音に耳を傾け、オタマジャクシの卵を探す。整然としたニュータウンの緑も良いが、原始的な生命に触れ、幸福なひと時だった◆最近は花粉予防のマスクにサングラスで、春を探す気分にはなかなかなれないかもしれない◆黄色のカバーのかかったランドセルに隠れるほどに、新一年生も間もなく登下校をスタートさせる。地域の方々には見守りをお願いします。   (小鳥田晶子)

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 ひな祭りが近づいて、店頭にハマグリや色鮮やかなチラシ寿司、桃の花が並ぶ。厳しい寒さが続いた年だけに、うれしさも何割か増しだ◆真空パックの熊本県産ハマグリを買った。砂出し済みでそのまま調理でき、賞味期限が10か月先まである。1分もしないで潮汁ができた◆椀いっぱいに広がるはずの貝は、あさりのように小さかったが、春の香りがした◆ひな人形コーナーを歩けば、その多様性に驚いた。昔ながらの赤い毛せんから、透明のアクリルガラスの段飾りまである。親王飾りには、飴細工のようなガラス製、陶製、塗物、それぞれ見ていて飽きない◆奈良時代の厄払いの行事や、平安宮廷の「ひいな遊び」という人形遊びが、起源といわれる。どんな時代であっても、ひな人形の広告によくあるように、『お嬢様の健やかな成長を願って』購入されるものなのだ◆その日、夕方の電車は、学生や仕事帰りの人たちで混雑していた。身動きも取れない車内の一角で、ベビーカーが4台向かい合わせに並んでいた。その後ろで、美しいママたちが談笑している◆バリアフリー化が進み、子育て中のママたちもおしゃれをして、とってもスマート。髪を振り乱し、赤ん坊の乗ったベビーカーごと持ち上げて、駅の階段を上がり下りしていたのは、もう20年近くも前の話◆もちろん彼女たちだって、帰宅すれば動き易い服と髪で、孤独に乳幼児と向き合っているのかもしれない◆老いも若きも、みんな誰かの『お嬢様』。楽しいひな祭りをお過ごしください。(小鳥田晶子) 100301号掲載

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 政権公約で今年4月から公立高等学校の授業料は公費で賄い家庭の負担がなくなる◆例えば全日制の都立高校は入学金5650円が必要だが、授業料の年額12万2400円は無料となる◆現在は学校維持のため高校生一人当たり年間に約132万9千円の公費がかかる。この支出に対して授業料収入はその約11%。収入がゼロになると全ては税金の負担だ。いま高校進学率は98%。私立高校への援助も決まった。この時代に授業料の無料化は生活第一と礼讚する人がいる◆しかし高校は義務教育ではない。働いて子供の高校進学を支える親に対し子供には「どうせ只だろう」と感謝の念を失う懸念が指摘されている。親子の間で心の接点がずれる。これは家庭崩壊の序曲だ。高校は無料化よりも奨学金の充実が適切との意見には意味がある◆高校の保護者に聞いた。授業料は無料でも高校には教材、校外活動、PTAなどに私的な費用を必要とする。殆どの家庭はこれまで授業料も私費も同じ感覚で納めていた。更に授業料の未納は退学など学校側には最後の措置を伴っていた。ただし私費には何もない。確信的に私費を納めない親がいても高校側はひたすら納付のお願いを続ける以外にないらしい◆今年から高校教育には総額で約4千億円の税金が投入される。住民には地域の高校と生徒の態度に注目する良い機会になりそうだ。各高校は特色を生かして「ここにはあの学校がある」と住民が支えて誇れる存在への邁進を期待したい◆しかし無料化の教育観は何だろう。(岩木 伸) 100201号掲載

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 鰹と昆布のだし汁に醤油で味をつけ、牡蠣と豆腐を入れる。茹でてとろとろになった丸餅に、そのスープをかけたものが、広島の婚家で食べたお雑煮だ◆芋と大根と油揚げの汁をたっぷりと注ぎ、ストーブでパリパリに焼いた餅を入れたものがお雑煮だと思っていたから、茶碗の中でやわらかい餅の上に牡蠣と豆腐がのっている様子に驚いた◆瀬戸内の海の豊富な魚介に恵まれ、牡蠣打ちと呼ばれる牡蠣の取り出し作業には、地元の主婦たちが携わる。寒さが増すほど美味しくなるという、牡蠣のうまみが染み出した濃厚なスープには独特の味わいがある◆お節料理の内容は大体同じだが、芽が出るようにとの願いで食べるクワイの皮剥きや、真っ赤で長い、京ニンジンは珍しかった◆一方、多摩の辺りは元旦から三が日は男が台所に立ち、お雑煮を作る。大晦日、家族がコタツで紅白を観ていても、忙しく働く主婦を休ませているのだと思っていた。しかし、神様に関することは男の手で、との伝統なのだ。そうは言っても、男も主婦もどこかうれしそうで、普段見慣れない姿は、特別な緊張感のある朝だ◆まめになるように黒豆を、金運に恵まれるように金団を、そして海老を食べて背が曲がるまで長寿にと、子に話しつつ迎える2010年元旦である◆もっとも最近は、背中もぴんと伸びた先輩方が多い。アクアブルー多摩で行われた、多摩市民水泳大会での活躍は素晴らしかった。今年もますますのご健康をお祈り申し上げます。(小鳥田晶子) 100101号掲載

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 冷たい風が枯葉を舗道に吹き寄せる木枯らしの季節が来た◆理想と現実の間をさまよう政治からモラル崩壊の世相まで日本が冷気に包まれた今年は間もなく終わる◆しかし寒い季節には「火の用心」が馴染むようだ。静まり返った夜、カチカチと響く火の用心に歩く拍子木の音を聞いたのはいつの頃だったか◆火事はいつでも恐ろしい。特にいまの建物には新建材が多いため、燃えると有毒ガスを発生する。早く気付くこと、逃げ遅れないこと以外に安全はないだろう◆消防法の改正で平成18年には戸建て住宅にも団地にも火災報知器の設置が義務付けられた。実施時期は各地で異なるが東京は来年4月1日からだ。ワンルームの場合などは一個で済むが標準モデルの個数はどうなのか。賃貸団地を扱う都市再生機構によれば2DKは居室・寝室・DKの3個、3DKは4個となる。ただし家賃の変更はないという◆住宅が広ければ個数も増える。報知器には煙、熱、炎を感知する種類があり値段は市場価格で一個5千円前後もする。取り付けを頼めば工事費もかかる◆いま各団地では理事会などを中心に各戸の個数を纏めて種類と経費の検討が行われているようだ。既に個人で設置した人もいるが普通の家庭には相当の出費になる◆自分の安全のための設備だが、次にはTVのデジタル化への出費が待っている。受益者負担の原則とか前政権の決定だなどと、「誰かに言われたくない」。市民目線の政治を謳うなら確定申告の控除など弱者への工夫を願いたい。 (岩木 伸) 091201号掲載

脚下照顧 小鳥田晶子

 八王子駅南口に建設中の超高層ビルが、23階辺りまで出来てきた。昨年、基礎工事の頃には、掘削で池のようになり、ここに41階のビルが建つとは信じられなかった◆基礎部分ができてからは、あっという間に上へ上へと延びた。来秋の完成時には、見えなくなるはずの空を見て、その高さを想像する。建設現場の熱気が歩道まで伝わってきて、何分見ていても飽きない◆トラックで運びこまれたコンクリートの塊や、鉄の階段がクレーンで空に吸い込まれていく。ビルの外壁を伝ってエレベーターが上下する。遥か上の足場を軽々と歩く人、現場入口で搬入車を誘導する人の大きな声、まるでショーさながらだ。危険と隣り合わせの緊張感が漂う◆一度出来てしまうと、工事のことは忘れるが、モノレールも、多摩センター駅前の商業施設も、多摩ニュータウンそのものも、長い年月をかけて作られたのだと改めて実感した◆先日行われた、当紙40周年記念事業で、これまで撮りためた写真のスライドを上映した。藁葺き屋根の家を重機で撤去したり、緑の丘陵地帯が、赤茶色の砂漠になる様子には、息を飲んだ◆道路が出来、鉄道が走り、住宅や店が立ち並ぶ。あの、カーンカーンという槌音や、地響きが蘇ってきた。史上最大の開発は、あと少しで完了する◆陸の孤島、人工都市と揶揄された街も、40年という歳月をかけて、豊かな人間関係が育った。仕事、地域行事、ボランティア等で深めた絆で、伝統を守りながら、更に新しいものを生み出そう。    小鳥田晶子091101号掲載

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 たしか作家の安部譲二氏だったか歯に衣を着せぬコラムに「今は他人との距離の分からない人が多い」と書いていた。これは面白い表現で距離とは個人と他人の関係だがこの街でも思い当たることがある◆いま電話やメールは殆どの外国と即座に通じる。国内では携帯とメールが全盛だ。技術力で時間と空間の距離は無いのに等しいが人の心はどうだろう◆京王線の駅。ガラスに囲まれた待合所で若い女性が手鏡を見ながら髪のスプレーを使った。匂いで居合わせた数人が辟易しても分からないようだ◆夏の昼下がり、涼しいので同じ場所に入ったら客が多く隅の方に空席が一つ。隣りで部活の帰途か母親と一緒の女子中学生が静かにシャカチキンを食べていた。座ると香りがするが本人は気付かないらしい。しかし何だかうまそうで、母子が控えめに寄り添う光景はそんなに嫌いではない◆急行電車が来るので携帯を使っていた男女や他のお客はホームに出たが少し離れた所にいた初老の女性が大声で「物を食べる場所ではないでしょ」と言う。なぜか母親は隣にいた筆者に「すみません」と言うので「うまそうですよ」と笑って告白する羽目になった。もうマナー違反はしないだろう◆ある店で遅い昼食を摂っていたら横にいた2人の中年女性客が大声で喋り続けて飯がまずい。他人の食事中などは全く念頭にないらしい。女性の多い時間帯でお喋りもいいが人前での音声レベルがおかしい◆思えば身内の娘や姪たちはどうなのだろう。距離の分かるマナーを先ず足元でよく確認しておこう。  (岩木 伸) 091001号掲載

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