【学園の詩25】「救急救命士」への道~国士舘大学体育学部スポーツ医科学科

実習教室にて、左より岩村、小川、樺沢さん 緊急出動の救急車に乗り現場で最初に生命と向き合うのが救急救命士だ。
 『国士舘大学』多摩キャンパスの『体育学部スポーツ医科学科』。ここは救急救命士の国家試験受験資格の取れる指定大学で、地域では学生のボランティア活動も既にお馴染みだ。
 7月中旬、4年生の小川拓也・岩村智裕・樺沢亮の皆さんに聞いた。共に高校ではスポーツの選手たち。ケガや講演などで救急救命士の仕事を見聞しその感動が志望の動機となった。
 現在4年生は144人で約4分1は女性。「救急救命士の志望者は全体で大体半分くらいです」。
 授業は厳しい。一般教養に加え、国の定める必修科目は医学全般の16科目に及ぶ。「救急車は様々なケースの人に対応するので医学全般の知識が必要です」。更に実習がある。1年生は海やプールの海難救助。2年生は雪山と河川。消防署の救急体験。
 3年生は病院実習。夏冬の年2回、病院の救命センターで朝8時30分から翌朝9時まで24時間の徹夜勤務を連続5回。「救急車は病院に搬送してその先は見えませんが、この実習は病院内部の措置を知る上で非常に勉強になります」。
 4年生は学校常備の救急車で、心臓マッサージ、人口呼吸、電気ショックを与える除細動器(AED)による心拍への手当、器具による気道の確保、条件により出血に対する点滴などの授業を受ける。各消防署で救急車の同乗実習もある。
  通報を受けた救急車が現場に到着するまで平均6分強。もし心肺停止の時には60秒ごとに救命率が7~10%ずつ低下する。一刻の猶予もない。
 搬送した人の助かる安堵感は言うまでもない。だが人の死に直面するのも冷厳な事実。「病院で看取られて家族が涙する死もある一方、事故等で家族と連絡も取れないままの死もありました」「死と向き合い人の命を助けるのがどれほど大変かを知った時はこの仕事の使命が身に迫る思いでした」。 国家試験は来春4月。「必ず合格して故郷に戻り救急救命士になります」。
 なお取材の3日後に「中越沖地震」が起こった。新潟に家のある小川君の夏休みは故郷でのボランティア活動のようだった。070801号掲載

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