
荒井呉服店常務取締役 橋本孝さん(75)
呉服のデパート㈱荒井呉服店は、初代荒井与三氏が開業して今年百周年を迎えた。「呉服屋で百年はそんなに古い方じゃない」と話すのは、常務取締役の橋本孝さん(75)。2代目末男氏の時代に入社し3代目邦彦氏、そして現在4代目社長の芳江氏を支える。
歴代社長の銅像、豪華な着物の並ぶ老舗。ましてや日本を代表するスーパースター、ユーミンの生家とあればさぞかし敷居が高かろうとドキドキしたが、一歩店に入れば百周年の記念セールで大盛況。気軽に買える値段のゆかたやゲタ、小物が並ぶ。「モットーが『より安く、より豪華に』ですからね。最大限お客様の需要に応えたい」。百年愛され続ける理由は、時代に敏感な柔軟性のようだ。「若い人がゆかたを短くしたり、着物にサンダルを履くのも大賛成。まずは着てもらって、好きになってもらうことが大事」。半世紀以上に渡り伝統文化の織物や染物に通じ、呉服の王道を歩み続けてきた人の言葉だからこそ重みがある。戦後、高度成長期、そして平成の今と八王子商店街も変遷してきた。「織物産業が盛んな頃には、工場に勤める若い女性たちが仕事帰りに商店街をぞろぞろと歩いて原宿みたいだった。すれ違うのに肩がぶつかり合うくらいに混んでいた」。今はマンションが建ち並び景色は変わったが、子供連れの主婦などが賑やかに行き交う。「七五三のお祝いなんかは七歳のお祝いには本裁の晴れ着に肩揚げをして着るとかわいらしい。大きくなったら肩揚げを取ってまた着られる楽しみもある」。5年先、10年先を見て購入するのも着物の喜びの一つだろう。6日(金)から3日間行われる『八王子まつり』では、八日町自慢の山車『雄略天皇』を仕切る雄略会会長でもある。「血が騒ぎますか」。「全然」と笑いつつも、実は1カ月前から早朝ウォーキングで体力づくりは万全。『その先を見つめています』のキャッチフレーズ通り、燦然と輝く歴史と、底知れぬ明るさ、そしてバイタリティがある。
◇八王子市八日町9・8 ℡042(625)5291水曜定休 営業10時~18時半 100801号掲載
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