ウチの団地、うちのマンション 第2回「馬引沢団地」

 朝6時30分、永山駅東北に広がる戸建団地馬引沢団地の児童公園では、ラジオ体操(写真)が始まる。雨の日以外は一年中だ。
 「夏のラジオ体操が、夏休みと一緒に終わってしまうのが物足りなく感じて始めました」と話してくれたのは現ボランティア会会長の奈良脩輔さん(70)。毎朝小さな子供からお年よりまで20人から30人が参加し、もう6年続いている。
 同会では他にも月に一度のカレーの日など、住んでいる人たちが、互いに知り合う機会をつくっていて、ほんの数年も住めば団地内では皆顔見知りに。さらに、サポートマップを参考に声かけやパトロールも行なっている。サポートマップとは、どの家にどんな障害を持った方がいるのか、日中または夜独りの高齢者はどこかなど、細かい情報が記入されたマップのこと。
 それを作ったきっかけは、約20年以上前、団地内で起きた50歳代の方の孤独死だった。その当時自治会長だった竹田英生さん(78)は、助けが必要な人はどこかを把握しておく必要性を感じ、井戸端会議の中で拾った情報を自治会の地図に書き込んでいった。それがやがて、無くてはならないサポートマップに出来上がっていったのだ。
 今年2月には、閉まったままの戸袋を不審に思ったご近所さんが、倒れた独り暮らしの高齢者を発見し、事なきを得ている。
 個人情報の扱いがとやかく言われる昨今、ご近所の輪の中で培われた、支えあいの仕組みは、何事にも替えがたい宝物だ。
 今では駅から徒歩7分と便利だが、初期入居の40年以上前、永山駅はまだ無かった。上下水道、都市ガス、団地内の道も整備されておらず、「それを初期の方々が、ひとつひとつ解決していってくれたから結束が強まった。だから後から来た私のような者でも、なんとか務まるんです」と、自治会長4年目の福嶋修一さん(63)は謙遜するが、自治会、子ども会、ボランティア会、千歳会などの一体感はすばらしいと評判が高い。目下の悩みは借地に建つ集会所のこと。地主の判断で、いつ更地に戻さねばならないとも限らない。
 8月の諏訪神社の祭りには団地の子どもだちも神輿を担ぐ。元気な声が団地に響き渡る予定だ。 100701号掲載

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