アレどうよ? ②環境保全と開発考

 区画整理事業により宅地開発が始まる稲城南山。新緑を彩るフジやヤマツツジ、野鳥のさえずり、里山の佇まい、確かに貴重な自然だ。5月16日地域振興プラザで開かれた『いま、南山はどうなっているか―報告集会』に出席した。南山の自然を守れ!と、開発の問題点が提起されていた。出席者の熱気を感じながらも既視感に囚われた…。
 稲城と多摩を繋ぐ「尾根幹線」。1979年、尾根幹線の着工を巡り永山、諏訪団地の住民や活動家が騒音や大気汚染がひどくなる、と激しく反発。工事着工を阻止しようと40日間にわたり座り込みを敢行。それにより、尾根幹線の多摩市内部分5㎞は側道が1車線だけ、「片側4車線ずつの本線」となる筈だった幅50メートル近くの分離帯部分は現在も放置されたまま。多摩市部分だけが1車線の為、交通渋滞が起きている。その後、道路整備事業は都に移管され、整備や跡地利用が進まず、地元経済にも影を落とす。分離帯の利用法は10年間の期限限定で多摩市に委ねられた、妙案はまだ見えていないらしい。
 80年代、市民や労働・婦人・自然保護団体、学者・文化人らが、千三百に及ぶ植物種、樹齢数百年のブナや五千種の昆虫、50種の野鳥が見られる高尾の生態系が破壊される!自然を守れ!と圏央道反対運動を繰り広げた。07年、八王子JCTからあきる野インターチェンジ迄の区間が開通。これに伴い国交省相武国道事務所が07年、「圏央道オオタカ検討会」を設置し生息状況を調査、絶滅が危惧されていたオオタカは継続的に繁殖しており地域個体群は維持されている。トウキョウサンショウウオも代替の産卵池で生息している」と報告。裏高尾に住む知人は「心配していた程のことはなかった」と笑う。井戸水で淹れたお茶を頂いた。水脈の枯渇は免れたらしい。蛇滝、琵琶滝の水音に鶯が負けじと鳴いていた。
 多摩丘陵の緑を削ぎ取り開発された多摩ニュータウンは40年の時を経て、緑を取り戻した。明治神宮常盤の森も御鎮座にあたり国民が献木した365種、10万本の人工林で、百年先を見越して森が造られて来たと聞く。「開発反対」と声を荒げるだけでなく、大自然の力を信じ、長いスパンで考え計画をすり合わせていく知恵が求められているのではないだろうか。 100601号掲載

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