小耳にはさんだアメリカ歯科事情

「歯だけは放っておいてもよくならない」と昔から言われるが、昨今の医療技術の発達は目覚しく、不揃いな歯並びも矯正で整えることが出来、不幸なことに歯を失ったとしてもインプラントや移植という手段もある。一方、患者としては選択肢が増えたら増えたでどれを選んでいいかが悩みどころ。
 アメリカでは、「医者は儲かる治療や、訴訟される恐れが少ない治療、自分の経歴に有利な施術には積極的」というが、その事情もわかる。言い値で費用を提示できる保険を使わない治療に対し、保険を使った治療は保険会社によって値引きさせられる。それを嫌って保険を使う患者を受け付けなければ、無名の医者のところに患者が集まらない。学費ローンや開業費用の返済、訴訟されたときのための保険料は高額だ。地域の図書館やインターネット上で医者に関するデータベースがあり、書込みなどで厳しい評価を受けることも。高額な学費をかけて医者になったのに割りに合わないと、嘆く声も聞く。
 その点日本だと“赤ひげの精神”がまだ残っているのか、まずは患者の側に立った保険内の治療をすすめ、長い通院が必要な治療を根気よくしてくれる。日本が世界に誇る皆保険制度の環境も幸いしているのだといえよう。
 さて6月4日は虫歯の日。歯のケアは怠りなく。特に40歳代以降は隠れて見えない歯槽膿漏のチェックを重点的に。 100601号掲載

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