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大規模なネットワーク計画裏付け 「戦車道路」の用地買収資料見つかる

 
 第二次世界大戦末期に旧陸軍が東京都町田市と八王子市の市境の尾根に造成した「戦車道路」が、現在の多摩ニュータウン中心部(多摩市)にまで広がる総延長約30㌔の道路ネットワーク計画だったことを具体的に示す資料が、このほど国立公文書館アジア歴史資料センターで見つかった。戦局の悪化で都心から郊外へと進めた軍事施設の移転・建設の過程を知る貴重な手掛かりとなりそうだ。
 戦車道路は1943(昭和18)年、相模陸軍造兵廠(相模原市、現米軍相模総合補給廠)で製造された戦車など戦闘車両の走行テスト用に造られた未舗装の道路。45年の敗戦で実際にはほとんど使われなかった。現在は町田市などが全長約8㌔の遊歩道「尾根緑道」として整備、桜の名所として知られている。 
 資料は、防衛省防衛研究所が所蔵する旧陸軍関係書類を同センターが画像にしてホームページで公開したもので、「土地買収に関する件」などと題し、土地の利用状況や買収経過、価格決定の手続きのほか、全体ルート図、買収地一覧表などで計約300㌻ある。
 資料によると「戦車類運行試験場」と呼ばれた計画は、多摩丘陵の八王子、町田、多摩の3市域にまたがる東西約6㌔、南北約5㌔の地域を周回する道路と、南北に連絡する2本の道路が中央(多摩市唐木田付近)で交差するよう配置。現在の尾根緑道は周回道路の一部であり、残りの大部分の区間は用地買収しただけで工事着手前に終戦となった。
 多摩丘陵に大規模な軍用道路計画があったことは、戦後の用地払い下げ資料などからこれまでも知られてはいたが、陸軍当局による詳細な買収記録は、戦時中の多摩・相模原地区の軍事産業の拡大過程を解明する重要な資料となる。
 戦車道路の歴史を調べている多摩ニュータウン学会の篠原啓一理事は「現在の戦車道路(尾根緑道)は、戦後防衛庁(現防衛省)が再整備して1960年ごろから約10年間使用した際の形状を伝えるもので、造成当初の資料はほとんど残っていないと言われていた。画像化の作業は大変だが、資料のネット公開が進めば地域の埋もれた歴史を掘り起こせる可能性が広がる」と話している。 100201号掲載

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