店に入ると漢方薬の匂いに包まれる。「初めて持った店舗は愛宕店(多摩市愛宕商店街)で、ニュータウン入居の抽選で当たった」というのだからコサカ薬局の歴史は多摩ニュータウンの歴史にぴったり重なる。
お店に訪れた方の話を聞き、その方の症状にあった薬を選んでお渡しする。
「話をじっくり聞くから時間がかかるんですよ。人生相談になることもある。お客さんは勉強好きの方が多く、うちの薬剤師も勉強好きばかりです。お客さんのお子さんが薬剤師になったという方も多く様々なご縁を感じています」
多摩市内の小中学校で学校薬剤師を担当し、教室内の環境やプールの衛生状態の管理なども行っている。
「学校に行くとずいぶん静かになったなと感じる。昔600人以上いた学校が今は250人位だから…」。
多摩ニュータウンは今後どうなっていくと思うか。
「団地の戸数だけ人口は増えるが、入居が落ち着けば人口はそう伸びないと思っていた。この先さらにニュータウンが発展するには自分自身の発展が不可欠だ」「店が好き」「(薬剤師の)勉強が好き」と週に1度の休みさえ取らなかった時期もあり、勉強会があれば夫婦で積極的に参加した。
「ニュータウンが出来た当初は子ども会もあり子ども達はとにかくよく遊んだ。お母さんが5人位で見守り、大学生と交渉してボランティアに来てもらった。私も店を開けたまま、隣の学校での活動を手伝いに行った。幼児から小学校6年生までが、一緒に地域探検や夏にはキャンプをし、子ども達は今でも強烈な思い出になっているようだ」。
「多摩は高齢化しているといわれるが、元気な人はいっぱいいる。その人たちのエネルギーや能力が、子ども達や生き方を模索している若い人達との間で循環できれば、ここは素晴らしい地域になると思う。かつて子ども会がそうだったように、お金をかけなくてもいいものはできる」。
取材中にも「多摩センター店」では馴染みのお客さんが立ち話をしては帰って行く。コサカ薬局は、地域の人々が活き活きと調和する場所になっている。 091101号掲載
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