- 2009-09-01 (火) 17:10
- 脚下照顧
関東大震災が起きた1923年(大正12年)、赤ん坊だった社主は大きな揺れに喜んだ。無邪気で、恐怖心のない姿に家族は驚いて後々まで語り草になったという◆戦争に赴き、無事に帰ってからの波乱万丈な人生は、著書の『多摩のあけぼの』に詳しい◆多摩ニュータウンタイムズが、11月創刊40周年を迎える。読者と広告主あっての新聞であり、地域の方々に感謝の気持ちで一杯だ◆人生の半分近くを、取材と原稿書きに費やしてきた社主を見ていると、年齢と精神の若さは関係ないのだと感じる◆数年前からは1日号だけになったが、月に2回の新聞発行のために、常に先へ先へと仕事をすることが、どれほど人を生き生きとさせるか。「人生というのは生活する時間の積み重ね。時間の使い方が人生を決める」と、職場実習で訪れた中学生にも語っている◆ある夏のこと。鎌を手に、社主が外に出て行った。何事かとついていくと、歩道脇の草刈りを始めた。シュッ、シュッ、シュッと、きれいに刈られていく。したたる緑が自慢の道路も、一気に伸びる雑草がドライバーの視界を遮ることがある◆「草なんか、誰が刈ったっていいんだ」。ワイシャツが汗で背中に張り付く。外国人観光客も多い華やかなホテルと、モノレールを見上げながら、ふとスタジオジブリの『平成ぽんぽこ狸合戦』を思い出した◆製作にも関わった社主は狸でもあり、同時に開発協力者でもあった。「もう何も怖いものはない」と言い切る。これからも力強く、町を歩き続けてほしい。 小鳥田晶子 090901号掲載
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