- 2009-05-01 (金) 15:37
- 唱歌のことば今ここに
「青葉の笛」は小学校唱歌とされていたが、実際には明治43年(1910年)に女学校の教科書に登場したという。作詞は2番まであるが、源平合戦で敗れる平敦盛を詠っている1番がよく知られる。
時は平安末期、都を追われた平家は、現在の神戸市須磨に陣を構えた。背後は一の谷の急傾斜で険しい山、正面には海が迫る。夜ごとに平家の陣中からは笛の音が流れ、源氏の武者も耳を傾け聞き入っていたという。しかし戦いは続き、源義経はあろうことか平家の〝不落の陣〟を山上から騎馬で急襲した。敗走し、海に逃れるしかなかった平家軍。一騎で源氏の先頭を切るのは猛将熊谷直実。彼は海岸を逃げる平家軍から反転して来る一騎の武将と戦うことになる。見れば相手は自分の子と同じくらいの年の少年だった。直実は名を尋ねて逃がそうとする。が、しかし少年は名も告げず、逃げようともしない。問答中にも追っ手が近づき、止む無く少年を討った。直実は後に、その少年が平清盛の甥の平敦盛で笛の名手であったと知る。青葉の笛の物語は、白砂青松の須磨海岸で起こった。
源平の合戦が終わってから直実は出家し武士を捨てた。敦盛の菩提を長く弔っていた史実が残っている。
「青葉の笛」は武人であるがための無常感が心を打つ歌だ。なお、敦盛の最期は木々の青葉が眩しくなる少し前の3月20日。 090501号掲載
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