脚下照顧

 春が来た。家にこもりがちな高齢者にも外出しやすい季節だろう。こんなことを考えていたら、ふと乗客に高齢者の多いミニバスが思い浮んだ◆いま多摩市では京王電鉄バス、稲城市は小田急バスに委託してミニバスを走らせている。八王子市のミニバスは残念ながらこの地域には来ない◆乗車率は触れないことにしよう。バス会社の運賃収入と経費の差額を補うため多摩市は21年度に2千900万円の補助金予算を組んだ。稲城市は19年度補助金の実績が約930万円という。補助金で稲城は90分、多摩は約45分間隔でミニバスが走っている◆稲城では市民病院への利用者が多いという。多摩では平日の朝、東西線右循環は中諏訪や永山けやき坂付近から南野の総合福祉センターまで高齢者で満席となる◆車内では絶えず振り込め詐欺への注意と「停まるまで席から立たないで下さい」と放送し運転士も根気よく呼びかけている。それでも乗車して直ぐには座らず、停車寸前に立ちたがる高齢者がいる。一寸した弾みの転倒でも危険だ◆誰でも脚力の老化は避けられない。よく注意を聴く。自分の気分のままに動かない。このほうが健康にはいいと思うのだが◆反面で多摩市のミニバスには永山さくら通りなどの満開や花吹雪、若葉の萌える新緑の並木路と、路線バスにはない窓外の贅沢がある。百草線には庚申塚や地蔵堂など探りたい場所もある。ミニバスは人と環境を観ることの出来る交通機関だ。(岩木 伸)。 090401号掲載

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