乞田川が最も美しい季節を迎えた。全長4㎞程の川の両岸にはなんと539本の桜の木が植えられている(数えてみました。誤差があったらゴメンナサイ)。
起伏に富んだ多摩ニュータウンはこの時季、ちょっと高い場所に上がれば、小さく霞むピンク色をあちこちに楽しむことができる。そんな中でも乞田川の桜は別格だ。
多摩ニュータウン誕生の頃に乞田川も整備され、桜が植えられた。すっかりコンクリートで固められているものの、もちろんその下は土だ。さすがに川沿いだけあって、山から栄養分が土とともに流れて堆積したのが実感できる力強い美しさだ。なかには若い木も混ざっているが、一人では抱えきれないほど太く大きくなった木が、象の足のように並んでいる。
30余年を経て、歩道は桜の根っこで盛り上がりデコボコしている。ベビーカーや車椅子の方がここを通るのは、大変なのではないだろうか。うちの子どもは、自転車でハンドルを何度も取られては転んでいる。それでも桜のトンネルをくぐるのは楽しいようで、涙も乾かないうちにペダルをこぎ出す。残念なのは途中何度か道路に遮られて迂回すること。ちょっと興が覚める。
永山橋付近ではこの冬護岸工事が行われ、100m分の岸が美しくなっている。一級河川なので、工事費は市ではなく都から出ている。「憩いの場」「人々に親しまれる河川空間」をという名目でコンクリートが隙間なく並べられた様子は、デパートの中によくある水路のように美しい。
上流の2カ所では桜まつりが行われる。どちらも4月5日だ。
多摩センター駅北側の長久保公園では太鼓やよさこい踊りが見られ、お茶会に参加できる。この辺りでは平成14年から数年間、川魚の稚魚を放流したことがあった。鮒や鯉、ドジョウであるが、鴨が水中を熱心に突いているのを見ると、川に何か棲んでいるんだな、とちょっと嬉しくなる。
乞田ふれあい公園では出店が並び、琴やお囃子が楽しめる。こちらでは桜が終わる頃、鯉のぼりが川の上を泳ぐ。その作業が4月19日に行われるので見に行きたい。
どちらも近隣の商店会の働きかけがあってのもの。素敵な「親水」行事だ。 090401号掲載
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