明日を拓く 在来工法を継承する若き大工 小林智行さん(22)

棟上の日、世田谷の現場にて

 不況は建築業界にも影を落とし戸建ての受注件数も激減する中、奮闘する工務店がある。稲城・押立にある高田工務店(高田良晃社長)。ここは大手のハウスメーカーの壁式工法(2×4)やセラミック工法・木質パネル住宅(プレハブ)と呼ばれる工法ではなく、柱と梁で建物を支える在来工法で行う。自然素材にこだわり、ハイブリッドソーラーで屋内を通年18℃に保つ“暖かいというより快適”空間を創造、顧客から高い満足度を得ている。
 小林智行さん(22歳)、ただいま見習い修行中の大工さんだ。お父さんの政志さんは高田工務店で棟梁を務める。父の仕事を見て育った。在来軸組み工法は、一本一本が異なる木材の性質を読み取り手刻みで加工する。手間と熟練の技術を要するが木の油成分が経年変化して強度を増し、新建材では得られない独特の香りや風合いを醸す。柱や壁を外しやすくリフォームも可能、丈夫な家が作れる。用いられていた材木もリユース出来る。「法隆寺に代表される古代の日本建造物が今もしっかりと現存している。環境共生住宅、二百年住宅も自分の手で作り残せることが出来るかもしれない」。高校卒業後迷わず高田工務店に、父の仕事を継承すると決めた。
 ハウスメーカーでは建材のほとんどは工場でプレカットされ、現場でパーツを組むだけだ。そんな仕事には満足出来ない。下小屋で木材と向き合いたい、切り損じたら台無しにしてしまう真剣勝負のプレッシャーと闘い大工仕事の全てを身体に叩き込ませ覚えていく。25歳迄にはある程度の仕事を任せて貰えるように、今は先輩達に指導を受け、仕事ぶりを盗む精進の日々。いつかは父に追いつき、誇りを持って「大工です」と言えるようになる。品質と技術で施主さんに喜んでもらえるそんな家づくりを目指している。 090201号掲載

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