関本恵美子さんはオルガニスト。その肩書は「恵泉女学園大学人文学部専任講師・同大学キリスト教音楽主任」。さらに日本キリスト教団霊南坂教会のオルガニストとしても著名だ。
晩秋の日差しに落葉が静かに舞う午後、瀟洒な学園のキリスト教センターで関本さんに出会った。
「クリスマスが近づいて一年で一番忙しい時が来ました」。12月20日は学園クリスマス・チャリティコンサート。関本さんの伴奏する聖歌隊の指導、広く知られる同校ハンドベルクアイアの練習、毎朝10時30分からの礼拝時に行うオルガン演奏、十字架の塔に設けたカリヨンベルの音楽構成など、大学の先生と教会の音楽担当と多忙な日々だ。
東京芸術大学出身、大学院修士課程を修了しフランス・スイス・オランダなどヨーロッパ各国の国際オルガン・アカデミーでパイプオルガンを学んだ。
3歳位からピアノとバレエを習っていたが「子供の頃からクリスチャンの両親と共に教会に行っていました。礼拝で流れるオルガンを聴いて育ち、自分も教会で弾きたいと思って…」。
「家では電子オルガンを弾いていましたが、できる限り本物を聴き、触れることが大切です」。
大きなパイプオルガンを自宅に置く人は数少ない。関本さんは霊南坂教会で練習が許された。
パイプ一本一本が豊かにに歌い鍵盤のタッチひとつで音が変わる。やがて「弾きながら力を抜けば抜くほど楽器自体が歌い、楽器が自分に近づいて気持ちを表現してくれることが分かりました」。楽器は信頼する心を反映してくれる。
恵泉のチャペルのギャラリー階には、近隣では唯一の、高さ7メートルに及ぶパイプオルガンがある。
関本さんの弾く音色は低く語り高く轟く。音が舞い降り、聴く人の心を奪い去る荘厳な響きだ。
「譜面に従うだけでなく自分の感情が湧くか湧かないか、何を感じるか…」これは音楽への情熱と日常生活の在り方をも思わせる言葉だった。
関本さんは周辺の木々と夕焼け空の美しさを語った。学園のカリヨンベルが鳴り渡る時、それは絵画『晩鐘』の描く敬虔な祈りを連想させた。 081201号掲載
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