かつての路線バスには紺の制服で明るく「発車オーライ」と声をかける女性車掌が乗っていた。やがて社会情勢の変化と男性への交替、車掌廃止とワンマンカーの登場、紙幣両替・運賃支払い機、共通バスカード、前乗り後乗り問題、深夜バス、短距離区間のサービス運賃等々、路線バスの話題はつきない。さらに、意外な出来事もあった。
『規制緩和』
平成13年4月、国土交通省は路線バスの運行本数をバス会社(免許を受けた交通事業者)に任せる規制緩和に踏み切った。それまでは乗客の需要と供給の運行本数を国が調査して認可していた。民間バス会社が自分の責任で地元乗客の状況と運転頻度のバランスをとる。これについて省側には経営状態尊重の措置という響きがある。
はるか昔に路線バス始まって以来の規制緩和だ。
『ミニバスなど』
高齢化が進み坂道の多いこのニュータウンで、路線バスの及ばない道路を走るミニバスの役割は大きい。
【多摩】永山駅~多摩センター駅・永山駅~百草団地の2系統で発足した多摩市の『ミニバス』は永山駅が起点だ。今年の1月15日から市内を左回り右回りに循環する再編成の東西線と従来の永山~百草団地を南北線として再発足した。
ミニバスは多摩市が路線と停留所を決めて、運行と車両を京王電鉄に委託している。常時走るバスは全部で5台。料金は170円からの低く押さえた累進制。
市の補助金は予算ベースで年間約4千8百万円、1台当たり約970万円。 最初の1時間に1本が現在は45分間隔になった。 利用者からは30分間隔を望む声がある。なによりも先ず市民が積極的に利用することだ。
【稲城】稲城市には昨年4月30日から『iバス』と呼ぶ赤く塗った市内循環バスが走っている。
右回り稲城駅、左回り若葉台駅を起点として、大筋で「稲城駅~市役所~矢野口駅~南多摩駅~市立病院~向陽台~長峰~若葉台駅~稲城高校~栗平駅~平尾団地~坂浜~稲城駅~」の広域を循環する。左右とも1日10本、約1時間30分間隔で全線200円均一。 マイクロバス3台を市が購入して運用は小田急バスに委託。市の支出予算は年間2175万円。
【八王子】八王子市はJR西八王子駅を中心とする地域に『はちバス』があり市の購入した3台を西東京バスに委託している。
『ミニバス乗務員より』
ミニバスやコミュニティバスには、どこでもべテランが乗務している。生まれながらの土地っ子で京王電鉄バス多摩営業所の伊野勝男さん(61)はその一人だ。「利用される方の5~6割はシルバーパスで苦情もありません。それだけに接客には心しています。朝は通勤の方、昼間は子供連れのお母さんも目立ちます。
新路線の瓜生地区や貝取北、豊ヶ丘2丁目界隈の方々にも好評です。
市内を東西に走るのが良いのでしょう。バスの運転手は複雑に曲がる循環路線も自然に身体で覚えています。時刻表通りに走っていますから左右の循環を確かめてぜひご利用ください」。 路線バスもコミュニティバスも、乗客が少なければ維持は困難になる。そこでこの駆け足バス記事の結論も「遅れずにみんなでバスに乗ろう」。(岩木 伸)
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