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発展途上の西武ライオンズ  選手揺籃の地「若獅子寮」

 多摩ニュータウンに近いプロ野球チームの本拠地を探れば日本シリーズ優勝の『西武ライオンズ』。

 昨年のパ・リーグは揺れた。しかし結果は6球団の維持とセ・パ交流試合の導入で事態は一応収束した。

 福岡ではいま、ダイエー改め『ソフトバンクホークス』の川崎宗則遊撃手がムネリンと呼ばれ若い女性に大変な人気という。札幌の『北海道日ハム』には既に新庄選手の華がある。今年のパ・リーグは仙台の『東北楽天』、神戸・大阪の合併チーム『オリックス』を交え地域を背景にした新しい戦いが始まる。首都圏西部の百獣の王は、取り巻く諸情勢にも野球にも、全ての挑戦を受ける今年のシーズンだ。

☆ライオンズ若獅子寮

 多摩都市モノレール「上北台駅」から丘陵を越えた所沢市上山口。あたりは樹木が多くリゾート地に来たような雰囲気。その一角に巨大な円盤が降り立ったような西武ドーム球場がある。シーズンには上北台駅と球場間にバスが走る。

 このドーム球場から200メートルほどの一角に練習球場と屋内練習場、そして『西武ライオンズ若獅子寮』が建っている。かつて工藤・清原・大リーグの松井(稼)そして伊東勤監督や松坂投手たちの揺籃の地、この若獅子寮を訪ねた。

いまの建物は昭和63年の建設という。玄関と食堂を中心に2軍選手用に平屋のA棟・12畳シングル部屋13室、1軍選手用にB棟・2階建バストイレ付7室がある。その他に監督・コーチの会議室と宿泊室など。

 新人選手は妻帯者を除き高卒は3年、大卒・社会人は1年の入寮が決められている。現在の入寮者は13人で昨年、松井(稼)の後の遊撃手として2軍から選ばれ、全試合全イニングに出場し打撃と守備に活躍した中島裕之選手もここの住人。

 今年は松坂投手の後輩でドラフト1位の横浜高校・涌井秀章投手など5人の新人が若獅子寮に入居する。寮長の秋山登さんは長く西武のバス輸送に携わり選手をよく知っている。

 基本方針は「社会人の自覚の上で行動せよ。未成年でも選手は社会人」。門限などの寮則は厳しいが家庭的な雰囲気を考えて選手は意外に自由。しかし将来と結果は自分との戦い以外にない。これは逆に厳しい日常生活かも知れない。

 食事は朝が7時30分から。卵、味噌汁、魚、野菜、米飯、スープ、コーンフレークス、ハム類、パン、コーヒーなどの定番から多彩な季節もの。昼食にはうどん・そばもある。個々人の練習の上がり次第で時間はバラバラ。夜は牛肉が問題になると鳥肉を使うなど肉類には気を使う。系列にプリンスホテルがあり参考レシピに不足はないが主眼は飽きない家庭料理。バイキング方式だ。

 定員45人の簡素な食堂を始め建物もどこか伸び伸びと明るい。秋山寮長は言う「初心を忘れるな。チームワークの乱れは団結力を失わせる。歴史も示すように国でも団体でも、弱体化させて崩壊を招くのは城構えではなく人です」。

☆発展途上のチーム

 昨シーズンは日ハム、ダイエーと激しいプレイオフを勝ち抜き日本シリーズを制した。かつて8回を数えた日本一も、平成4年以来の空白から12年振りだった。過去の栄光は栄光としてライオンズはいま、和田一浩選手会長たちベテランと若手選手、豪打カブレラなど外人選手とのバランスをとり、再び発展途上の道を歩み始めている。

 12~1月は連盟規約で監督・コーチは指導できない。寮の若手も自主トレの真最中。一周500メートルはある練習球場の内壁を一人、二人と何回も走り続ける。体力づくりのマシン一式も屋内練習場に完備している。油断といたずらな休息のないことを思わせる光景だ。ここから今年はどんなスターやアイドル選手が姿を現すのだろうか。

 初の監督就任1年目で首位に立った伊東勤さんの言葉で結ぼう。

「新年おめでとうございます。昨年のライオンズは中島、赤田、佐藤(友)などの若い選手たちが攻守に活躍してくれました。この正月の間にも選手達は自主トレを怠らず2月から始まる春のキャンプに備えています。今年も若手の成長と活躍を期待し、チーム一丸となってV2を目指します。ライオンズをよろしくお願いします。」

※2軍は今シーズンからチーム名を「インボイス」と名乗ることになった。

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