稲城に知的障害者施設ができると、付近に住む学童たちまで学校でからかわれたりいじめられるのが心配だという話をきいた
◆幸い、稲城は不登校児童が少ない点でも都内有数の優良地域といわれる。学校の指導にぬかりはないだろうが、大人は自分たちの言動に注意が必要だ
◆かつての戦時中、東京都区内の或る国民学校(小学校)に知的障害児の一学級があった。養護施設など望めない時代で一般校に併設したのだろう
◆学級には男子の障害児が七~八人いて、休み時間には養護の先生と一緒にみんなが校庭の一角に出ていた。はからずも、遊んでいる中に近づいた上級生たちは、自然に彼らと話をした。口ごもりながら嬉しそうに話したS。照れて笑っていた小柄なK。いまでも彼らを覚えている者は多い
◆学校には悪童もいたが、からかったりした話はきかない。当時、そういうことをした者は横っ面に往復ビンタが当然で、学年と名前は伏せても朝礼でその事実が全校に知らされた
◆いじめも小さな盗みも、子供がしてはならないことに対して、五、六年生にもなれば、担任の先生は「恥を知れ」と叱った。「それがどんなことかわからないようでは恥知らずだ」。努力すればほめてくれる先生が怒っている。子供たちは緊張して恥知らずなんかになりたくないと思った。

(岩木 伸)

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