先日、産経新聞で前巨人軍・ヤンキースの松井秀喜選手がかつて訪れたべトナムの貧しい子供達のための里親になり、中学生4人と高校生6人に奨学金を送り続けて丸3年になるという記事を読んだ◆里親。これは実の親代わりに子供を育てる親だ。全国各地に里親登録の家庭があるが、多摩・稲城にはごく少ない◆NHKのドキュメント番組を本にまとめた『本気で叱って抱きしめて』(NHK出版)はこれまでに60人の子供を育てた里親夫婦の記録で、親子の生態と気持ちが率直に綴られた異色の本だ◆親の離婚や失踪、捨て子、虐待などで行き場を失った子供達を里親が引き取る。養子縁組ではない。子供は再び実家に帰る日を覚悟した子育てだ◆子供は自分が里親と住む原因と理由がわかっている。それだけに、彼らが家庭ではじめて知った気持は人間の真実ではないのか◆「お早う」「おやすみ」「ただいま」「おかえり」がやっと自然に言えた子供の喜び。あるいは子供を叱る時は本気で叱るべきだと思った少年の言葉など。彼らは自分が親になった時にこの気持ちを決して忘れないだろう◆昔から子育ては大変だし、喜びがある。子供への不即不離を考える愛情と努力しか達成できないのだ。(岩木 伸)

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