天然記念物指定の「木曽駒」の流れをくむ1頭の若駒を、稲城市平尾の白井威さんが招いてから1年がたった。
これは、かねてから施設の高齢者や障害児の運動には乗馬がいいと考えていた白井さんが、自ら年齢を制限して都議を引退したあと長野県開田村に赴いて譲り受けた馬で、日ごとに筋肉もたくましく成長し、栗色の毛並みも光って伸び伸びと過ごしている。
おとなしい雌馬だが、なぜか5月5日・端午の節句が誕生日。今年で満3歳になる。初めは木曽の御岳山に因みタケちゃんと名付けたが、集まる子供や女性たちから自然にハナちゃんと呼ばれ改名したという。
ハナちゃんの家は入居のために新築した小屋で、朝と夕方にはキューブの固形配合飼料、昼は干草を食べる。近所の人達が麦科などの青草を刈ったり人参を持参してくれるのでこれは間食、夕方5時のチャイムが聞こえるとそわそわして餌を待つ。6時に夕食、9時に夜食を済ませてから柔らかい枯葉を敷き詰めた小屋で横になって寝る。
昼間は白井さんの自宅の後ろに造った馬場に放牧しているが、女性や子供が乗馬する時にはウエスタンという前に手摺りのついた大型の鞍、慣れた人はイースタンという普通の鞍をつける。ハナちゃんは利口で要領がいい。慣れない人が乗ると振り向いたり横歩きしたりして人を見ている。
障害児たちのグループも最初から乗馬を楽しみにしている。ただ一定の条件が必要なため乗馬に詳しい地域の女性獣医さんが1年間慎重に調教していた。乗るための台もできた。この連休はいよいよみんなが乗馬できる期間になるだろう。「沢山の人に乗ってほしいと思います。また梅雨明けには、こんなに育ったことを報告のためトラックを頼んで木曽に里帰りさせようと思います」。市議から都議まで長い政治生活の重荷も離れて、白井さんは楽しそうだ。
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