九月に入って二百十日の台風シーズンも無事過ぎると、村の時代から伝わる神社の秋まつりが始まる。
 この祭は収穫や豊作を祝うと同時に農民の骨休みの為のものでもあった。「怠け者の節句働き」という諺がある。その事から家庭では家族全員が仕事を休んで赤飯を炊いて御馳走を作り、御祭礼の灯籠を灯し、神輿を担ぎ太鼓を打ちみんなが仕事を休んで祭を行ってきた。これらは全てわれわれの祖先が営々と育み伝えてきたものばかりで地域の心や体臭のようなものを感じさせる、遠い将来にまで伝えられて行くものと思われる。近隣では府中大国魂神社の「くらやみ祭り」高幡不動の「だるま祭り」「八王子夏祭り」などが有名で、日本文化の根源のように思われる。
 そしてそれらは全て地域住民が永く支えてきたものである。
 ところが今の社会は常に祭りに囲まれているようなものである。正月の行事から始まり、春には「桜まつり」「ガーデンシティ」団地内の「夏まつり」「朝顔市」「野外コンサート」「盆踊り」「花火大会」秋には「いきいきTAMA」、その中には文化祭、骨董市、フリーマーケットなどもある。暮れにはクリスマス、イルミネーション、その外に企業や商店、サークル団体などが行う独自の祭や売出しが行われていることを思うと一年中何処かで祭りが行われていることに気がつく。
 その目的は何か、それは従来の祭りと同じ地域の活性化のためである。
 過去に八王子が、市電も通る関東の一大都市として発展を遂げたのは、「お十夜」というお祭りの時に八王子市民がこぞって近郷の親戚などに呼びかけて「お十夜」に来てもらうためにご馳走を作ってもてなしをして迎えたことから街は活気づき、大発展を遂げた。
 それを思うと、多摩の祭りは地方の祭の真似ではなくて、独自の祭を考えだして全国各地に故郷を持ち親戚を持つ市民みんなが協力し、参加できるような独自の祭りを考え出したい。

~ 広告 ~

自家発電工房

関連記事


カテゴリー: 筆舌   パーマリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">