共用施設に重点が置かれたこの若葉台のマンションでは、平日の日中はエアロビクスや料理教室など主婦向けに、夕方からは子供向けの塾やバレーなど、その回転率は九割。そんな中、「手打ちそばの会」は、月一回、参加しやすい土曜日ということもあって、お父さんたちに人気の講座のひとつ。参加費は材料費と施設代で一回約千円、現在会員は六名ほど。
講師の田中巌(いわお)さんは江戸流手打ち蕎麦「鵜の会」代表で、このマンションの住人のひとり。そば打ち歴七年、「鵜の会」三段のベテランである。産地、季節によって違うそばの性質を見極めた上で、つなぎが必要な場合は小麦粉・水・卵などの割合を判断する。まず参加者は師匠のそば打ちの技を鑑賞した後、指導のもと各自実技に入る。粉をふるうことから始まって最後麺を打ち終わるまで約45分。一汗かくほどの重労働だ。そばうちでは後片付けも重要項目。時にはラーメンの麺を打つときもある。
最後は師匠が打ったそばを試食。各自打ったそばは家に持ち帰り、家族の評価を待つことに。
会場は遊具のある中庭に面し、遊んでいる子供達から中が良く見える。時々外から「お父さんできた?」と子どもに催促されるほほえましい一幕も。
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