脚下照顧

 空気を読めない略語「KY」は既にお馴染みとなった。言うまでもなく政界でも会社でも責任者のKYは恐ろしい◆そして日常生活では、多くの悲惨な事件が示すように、親子関係や子育てのKYはもっと恐ろしい◆「KY」は高校生の携帯メール辺りから広まったようだ。若い感性がKYの人は困ると思うから定着したのだろう◆しかし「空気を読む」とは何だろう◆この世の中は一人ではない。空気を読む必要があるのは相手が居るからで、その時の様子を感じ取って自分の対応を考える事だ。これには相手の言葉や行動の意味と、周囲の動向や雰囲気を察知する力が必要になる◆場所や他の人の空気を読む力を、未来を担う子育ての親はぜひ身につけて頂きたい◆例えば静かな空気のファミレスや待合室。母子連れの子供が場違いに大声を出したり遊んだりするのをよく見かける。しかし母親がその場で「人前では静かにお行儀よくしなさい」と言うのを見た事がない◆かつて時と場所と場合の略語「TPO」が流行した。このTPOをわきまえないと空気は読めない。何も知らずに騒ぐ子供に注意しないのは、母親も分別のないKYの人なのか。子供だからこれでいいのか◆人前で騒ぐ子供は恐らく学校でもそうだ。そのままに忽ち大学生。講義中の教室でお喋りや携帯メールに夢中な学生には幼児からの躾を疑ったほうがいい◆とかく子供は親のKYを呪う。口うるさいのは逆効果だが、子供は叱られても誉められても空気の読める親の言葉が欲しいのだ。 (岩木 伸)  080901号掲載

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