4月13日多摩市永山公民館ベルブホール、20日同市関戸公民館ヴィータホールにて「多摩ニュータウンわたしの街」の試写会が行われた。製作者・出演者ともに、殆どが多摩ニュータウン在住者である。
当時憧れの的であった多摩ニュータウン。それは突如現れた夢の国ではなく、そのコンクリートの下には養蚕を営む、のどかな美しい村があった。民家を潰し、緑を剥ぎ、むき出しとなった赤土の上に多摩ュータウンは誕生した。最も古い諏訪・永山地区の第一次入居から37年。真っ白でモダンな団地が老朽化するのと時を同じくして、そこに暮らす人にも高齢化が進んでいる。
永山団地在住の南文憲氏は、ここに住み始めた37年前から、映画のカメラマンをする傍ら多摩ニュータウンの移り変わりを記録し続けている。「目の前で昔の人の暮らしがなくなっていく。なんとかこれを残さなくてはと思った」
「ここで生きている人たちの本当の姿を知ってもらおう」という南氏の呼びかけに、多摩ニュータウンで活動する様々な分野の人々が集まり、2006年に映画製作委員会を結成した。
点在するデイサービス施設やコミュニティセンターにスポットを当て、そこに集う人々を映すと、さまざまな現実が浮かび上がる。高齢者が高齢者を介護するという「老老介護」の増加。エレベーターのない建物や、部屋ごとの段差など、介護の上での不便さ。また団地のドアは、一旦閉めれば中の様子を知る手段がない。生け垣越しに気配を感じる生活は、ここには存在しないのだ。
その一方で、ふれあいを求め地域にとけ込む住民にもカメラを向ける。片道40分かけて永山商店街にある「福祉亭」を訪れる90歳の女性。福祉亭に来れば話し相手がいる。自分で作った野菜を差し入れする人がいる。ボランティアの高校生がいる。少子化のために廃校になった建物では、さまざまなサークルが活動し、NPOもたくさん存在する。壮絶だっただろう老老介護について、愛情込めて語る男性、母親に「おれはまだ若いから大丈夫」と返す60代の男性など、前向きで柔軟な心が垣間見えた。
賑わいという言葉こそ似合わなくなってしまったが、居心地のよい場所、真っ直ぐな人々に出会える。ここが、「わたしたちの街」だ。上映時間は約90分。今後の上映予定等の問合せは、製作委事務局℡042(375)1822まで。 080501号掲載
関連記事
- 映画「多摩ニュータウンわたしの街」上映予定
- ニュータウンのドキュメンタリー映画 製作企画始まる
- 映画「多摩ニュータウン わたしの街」上映会
- わがまちを映像で全国に~ドキュメンタリー映画「多摩ニュータウン映画製作委員会」発足
- 多摩ニュータウン稲城地区 初の消防分断が誕生
- わがまち多摩ニュータウン100景 候補地募集
- 講演会「広範な多摩ニュータウンからの眺め」
- パルテノン多摩歴史ミュージアム 「農」をめぐる人々 多摩ニュータウン開発と共に
- 多摩ニュータウン学会 2005年公開シンポ開催のご案内
- 【塾生募集】多摩政経塾


