◆各大学の当面する諸問題
企業や金融の再編成が一段落した現在、次に来るべきものは地方自治体と大学のビッグバンだといわれている。大学といえども一つの企業体である以上、併合、再編成の例外とはなりえない。
少子化に伴う全入現象(大学入学希望者の総数が大学の募集定員内となる)は三年後に招来する見通しであり、すでに地方の短大などでは定員割れの現象が続出している。
東京都は平成十七年度を目途に都立大学、都立技術大学、都立保健科学大学、都立短期大学の四つの大学を一つの総合大学として再編、統合することを決定し今着々と準備をすすめている。また国立大学も構造改革の一環として独立法人化を目指し、民間的発想による経営手法を導入する。私大については更に厳しい淘汰、統合、再編の時代に入ったといえよう。
◆大学の地域におけるレーゾンデートル(存在理由)の変化
今ニュータウン周辺地域では、緩やかではあるが住民の都心回帰現象が起きている。住宅数の量的不足が一応充足された現在、利便性を求めて都内の高層マンションへの移動が顕著であり、多摩市の例をみても少子化とあいまって人口数はここ数年減少が続いている。
住民の都心回帰と軌を一つにして、大学(特に大学院)の都心回帰もまた顕著である。特に社会人への講座参加を中心とした各大学の門戸開放により、郊外型の大学ではその需要に応じきれなくなったこと。また地方の大学進学希望者にとって、現在の立地条件は東京の大学というイメージから乖離した存在となりつつあることが、その要因である。
このような趨勢のなかで、各大学は地域社会に密着した地域立地型産業としての変革を余儀なくされている。正に全国規模の大学といえども、地域から超然とすることが一流大学の証とはいえない現状にある。
◆学生の地域活動への参加
学園都市といわれる八王子市でも、「学生のまち」というイメージにはほど遠い。実際に市内に居住している学生が少ないことにもよるが、市民の生活、活動と密接な関わりが少ないことが主因であろうか。
唯一組織的に学生が参加している多摩ニュータウン学会学生部会では、学会の総会、研究会、シンポなどの運営に当たって学生の果たす役割は大きい。学生部会のO君は次のように現状を語る。「地域活動に参加したいという意欲を持った学生は多い。NPOやボランティア活動、学会など活動の場はあるが、斡旋、仲介などをしてくれる機関の存在が必要である」(本吉記)
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