◆大学と地域の双方向パートナーシップの形成
従来の大学との連携は、主として産学協同という言葉に示されるように、大学と産業との連携が主流であった。しかし、大学を中心とした連携は、社会構造の高度化、多様化に伴い、従来の二者間の連携より大学産業、行政、地域(住民)の四者間連携(産学公民)へと変化している。
具体例として八王子学園都市文化ふれあい財団の活動が挙げられる。同財団は従来の各種関連団体を統合し、八王子市と協働の下に地域の活性化と産業振興を図るため、産学公民連携体制の構築を目的に今年四月に設立されたものである。
また昨年、十一年間にわたり東京都民の生涯学習のセンターとして活動した「都民カレッジ」の廃止の後を受けて、大学(都立大学)産業(セルフィッシュネス社)住民(二十一名のボランティア)の三者連携による「都立大学オープンカレッジ」が事業展開を行った。半年の試行を経て、今年七月都立大学公開講座へとバトンタッチしたことは、今後の大学と地域の在り方を示すものとして注目を集めている。 ◆多摩ニュータウン学会の活動
一九九六年に設立されたこの学会は、従来の学会が学界と業界の二者により構成されてきたのに対して、同学界は正に大学(含学生)行政、企業、住民の四者による地域に開かれた学界である。現在約二百五十名の会員を擁し、まちづくり、情報ネットワーク、コミュニテイ、スマートグロス、共育の五部会が、地域に密着した活動を続けており、正にニュータウンの未来学地域学(多摩学)の理論的支柱となっている。 今年度の総会は五月二十五日に開催されたが、今年度のテーマは「教育から共育へ~市民連携による新しい”公”の形成~」であり、今後の活躍を期待したい。
◆「学術、文化、産業ネットワーク多摩」の結成
大学と地域との連携は、今や一大学と一地域(一企業)内に留まらず、大学側のネットワーク対広域地域内の提携へと発展している。
今年七月に発足が予定されている同ネットワークは全多摩を糾合した四十五大学、十六自治体、八企業が参加を予定しており、正にオール多摩による産学公民連携による学術、文化、産業の振興開発を目的とする。 すでに、教育研究支援部会、産業公民連携部会、生涯学習支援部会、大学間支援部会の四部会が活動を開始しており、多摩地域の中心組織として今後画期的な役割を担うこととなろう。
(本吉記)
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