唱歌のことば今ここに「故郷(ふるさと)」

080301shoka-furusato.gif 唱歌「故郷」は大正3年(1914年)、小学校6年生の教科書に登場した。
 それ以来、戦時中も戦後も歌い継がれてきた。現在も小学6年生の教材にされている不朽の名作だ。
 2番の「友がき」は、しっかりと結びついた友達の意味の雅的表現。
 高野辰之・岡野貞一の作品は「おぼろ月夜」「紅葉」「日の丸」「春が来た」「春の小川」など、小学校の教材に指定されているものが多い。
 高野の出身地は、長野県下水内郡永江村(豊田村を経て現在の中野市)。高野辰之記念館によると「春の小川」は高野が明治42年(1909年)から住んだ渋谷区代々木の河骨川の情景を詠ったものと、随筆「春が来た」で触れている。しかし「故郷」の作詞については何も語っていないという。
 特定の景色や場所ではなく、一途に親や友など望郷の気持ちが表現されている心の歌のようだ。
 都内の下町で生まれ、多摩ニュータウンの団地で育った女子大生に「故郷のイメージは?」と訊ねてみると、とっさの答えは意外にも唱歌の歌詞のような景色で、現実のコンクリートで造形された町ではなかった。時代を超えて日本人の心には「故郷」の奥深い心象があるのではないだろうか。いつまでも「山はあをき、水は清き…」そんな美しい国であって欲しい。
080301号掲載

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