☆全容解明に至らず
平成2~3年頃に起こったパルテノン多摩の杜撰な運営、高額な楽器購入問題などを調査する市議会の特別委員会は、1年半を費やしても全容解明に至らず財団の人事改善、監査強化などを提言して終わった。
この間に監督責任者の市長は専決で自らを減給処分し、財団の理事長(当時は市の助役兼務)ほか関係職員の処分が行われた。
問題の核心は税金の使い方だが、バブル期の名残りで市民の反応も鈍かったようだ。先頃、助役として現市長の就任するまで市長職務代理を歴任した土方篤氏はこう語っている。
「当時は私自身も謙虚に反省する出来事でした。公務員は的確な仕事が使命です。仕事が出来ても独りよがりの逸脱は許されません。また財団には当初から市の職員が出向しています。問題となった業務処理は出向先で正しく仕事をしない不始末でした」「財団の仕事は、それこそ文化的感性が要求されます。現在の職員はこの財団の良さを生かして自由な創造力を発揮して頂きたい」。
☆補助金運営
文化振興財団は市からの補助金(事業費と人件費)で運営されている。いま補助金は厳しい。例えば、平成2~3年度は4億5000万~8000万円だった補助金は平成14年度には3億5000万円となった。内訳は事業費1億7000万円・人件費1億8000万円。来年度は更に事業費を1億5000万円に削減するという。事業費の削減は催し物の量と質に影響する。基金の金利も殆どゼロの現在は当事者の工夫と努力に期待する外はない。
☆創造力を問う施設
駅から幅40mの大通路を通って大階段の下まで約350m。大階段を上りパーゴラの下に立てば駅との直線距離は400m、高低差は30mに及ぶ。パーゴラの奥は「きらめきの池」さらに「大池」を抱えた約11万五千5000平方mの多摩中央公園に続く。
本来、パルテノン多摩は公園ー水と芝生・木々の緑ー建物内外ー大階段ー大通路のエンド部分が一体化して、当事者にイメージと創造力を問いかける施設だ。
開設の希望に燃えた原点に戻れば、ここは文化の拠点、市のシンボルだった。財団はプロデュース能力のある人材を揃えて創意工夫に不断の挑戦を続け、市民の負託に応えて頂きたい。
強く記憶に残る一つの作品を記しておこう。時期が良かったとは言え、市民参加のスタッフ・キャストを交えて、初めて全域を舞台に網羅したのは平成9年8月の寺山修司劇『100年気球メトロポリス』ではなかったか。当時の財団事務局長は今の渡辺幸子多摩市長だった。 (岩木 伸)
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